銀河鉄道 Another Journeys レドリルアドベンチャー

−前回のあらすじ−
 あまり内容がないので前回を見てください


第014話 惑星じゅげむ その2


車掌　　「お待たせいたしました。えー，次の停車駅は……
　　　　　惑星じゅげむ，惑星じゅげむ。停車時間は3時間33分です」
レドリル「惑星じゅげむ? どんな星?」
メーテル「普通の星よ。ただ，ちょっと伝統を重んじている星」
レドリル「どんな?」
メーテル「名前よ」
レドリル「名前?」
メーテル「名前が長いの」
車掌　　「たとえば，さきほどの星の名前はあまりに長いので通称にしておりますです。ハイ」
レドリル「本当はどんな名前なの?」
車掌　　「…本当に聞きたいですか?」
レドリル「…え……，なんか嫌な予感がするなぁ……でも，気になる。だから聞く」
車掌　　「えー，おっほん。それではですね，えー，よろしいですか?
　　　　　次の停車駅は…
　　　　　ジュゲムジュゲムゴコウノスリキレズ
　　　　　カイジャリスイギョノスイギョウマツ
　　　　　ウンライマツ フウライマツ
　　　　　クウネルトコロニスムトコロ
　　　　　ヤブラコウジノブラコウジ
　　　　　パイポパイポ パイポのシューリンガン
　　　　　シューリンガンノグーリンダイ
　　　　　グーリンダイノポンポコピー
　　　　　ポンポコピーノポンポコナーの長久命の長助
　　　　　および
　　　　　ジュゲムジュゲムゴコウノスリキリ
　　　　　カイザイスイギョノスイギョウマツ
　　　　　ウンライマツ フウライマツ
　　　　　クウネルトコロニスムトコロ
　　　　　ヤブラコウジノブラコウジ
　　　　　パイポパイポ パイポのシューリンガン
　　　　　シューリンガンノグーリンダイ
　　　　　グーリンダイノポンポコピーノポンポコナーの長久命の長助
　　　　　および
　　　　　ジュゲムジュゲムゴコウノスリキレ
　　　　　カイジャリスイギョノスイギョウマツ
　　　　　ウンライマツ フウライマツ
　　　　　クウネルトコロニスムトコロ
　　　　　ヤブラコウジノブラコウジ
　　　　　パイポパイポ パイポのシューリンガン
　　　　　シューリンガンノグーリンダイ
　　　　　グーリンダイノポンポコピーノポンポコナーの長久命の長助
　　　　　連合王国惑星…です」
レドリル「…こんなことだろうと思った……f^^;)」

999号は，惑星じゅげむの駅へと向かっていった。
999号が停車すると，駅へ向かってくる姿があった。
改札を抜けようとすると，バチっという音とともに飛ばされてしまった。
改札のセキュリティシステムにかかり，中に入ることができなかった。

？　　　「くそっ…」

それに気がついた駅員がかけつけて，倒れていた体を起こした。

駅員　　「…またですか……」
？　　　「いつのまにあんなものを…」
駅員　　「先日，ホームまで行ってしまったもので…」
？　　　「見逃してくれ，な，頼む」
駅員　　「いけません，さあ，お戻りください，国王」
国王　　「イヤだ。オレは行く。こんな星出て行く!!」
駅員　　「ダメです，あなたには国王としての義務があります」
レドリル「どうしたの?」

999号から降りてきたレドリルとメーテルだった。

国王　　「あんたたち，999号の乗客かい?」
レドリル「そうだけど…」
国王　　「999号はあとどのくらいで発車する?」
レドリル「停車時間は3時間くらいって言ってたけど」
国王　　「そうか…，じゃぁ，この場は引こう。さぁ，手を放してくれ」
駅員　　「あ，はい」
国王　　「さ，行こうか」
レドリル「オレ?」
国王　　「そう」
レドリル「なんで?」
国王　　「ま，いいじゃないか。」

レドリルとメーテルと国王の3人は近くの喫茶店へ向かった。
コーヒーをすすりながら，時間潰しがはじまった。

メーテル「そのペンダント，ここの王族のものね。さっき駅員が国王っていってたけど」
国王　　「…あはは，うん，国王。確かに国王」
レドリル「さっき，なんかモメてたようだけど，国王なのに?」
国王　　「前からさ。星を出ようとしている国王と，それを止めようとする国民」
メーテル「なぜ国王であるあなたが星をでようと?」
国王　　「イヤになったんだよ」
レドリル「何が?」
国王　　「国王でいること，それとこの星
レドリル「なんで?」
国王　　「…うーん，そうだなぁ…知ってるかい? この星の本当の名前」
レドリル「さっき車掌さんから聞いた。とんでもなく長い名前」
国王　　「昔，オレが国王の名前を襲名するときに，世話役の長老3人ともに違う名前を
　　　　　言い出してね。3人とも自分が正しいって主張しちゃって，結局あんな状態なんだよ」
レドリル「それと星を出るのと，どう関係があるのさ」
国王　　「そんなくだらないことで仲たがいするなと言えば，自分は正しい，向こうが折れろ
　　　　　の1点張り，名前が長すぎるといえば，伝統の一言で終わってしまう。
　　　　　だんだん馬鹿馬鹿しくなってきちゃったのさ。
　　　　　オレはね，伝統は大事だけど，足かせになっちゃいけないって思うんだけど，
　　　　　頭の固い連中はそれがわからないんだよ。それでなんかイヤになっちゃってね」
レドリル「それで星を出たいってワケか」
国王　　「そう。別にオレなんかいなくても頭の固い連中がちゃんとやるだろうって思ってさ」
メーテル「無責任ね」
国王　　「無責任?」
メーテル「ええ。あなたは国王でしょう。
　　　　　国王が国民を捨てて星から逃げ出そうというのは無責任というのではないかしら」
国王　　「だからそれは理由があって…」
メーテル「その理由はあなたのへ理屈ね。あなたは国王でしょう。
　　　　　話を聞いた限りでは，あなたはその世話役の長老のいいなりになって
　　　　　何もしていない。これでは誰が国王なのか，わからないわね」
国王　　「……」
レドリル「オレ，馬鹿だから難しいことはわからないけど，せっかく国王なんだから
　　　　　思ったことをやっちゃえばいいんじゃないの?
　　　　　むちゃくちゃやったら，ダメだと思うけど，正しいことをやるなら
　　　　　文句も言えないように納得させちゃえばいいんだから」
国王　　「何度も言ってみたけどダメだった」
メーテル「それはあなたに託せられないからではないかしら。頼りないわね。
　　　　　だからあなたが何を言っても，耳を貸そうとしない。
　　　　　信頼されてなければ，人は動かないわ。少なくとも
　　　　　きちんとした考えできちんと国王としての態度をもってすれば，
　　　　　あなたの言葉に耳を貸すんじゃないかしら」
国王　　「名前だけの国王ってことか…オレって国王に見えないのかなぁ」
レドリル「うん。全然見えない」
国王　　「そっか。このまま999に乗っていったら格好悪いな，オレ」
レドリル「もうすでに格好悪いと思うけど」
国王　　「おまえ，遠慮がないなぁ…ま，いいか。よし，なんかやってから出よう。
　　　　　うん，そうしよう。とりあえず，あのじじい達，ぎゃふんと言わせてやる」
メーテル「あなた自信が変わらないとダメよ」
国王　　「ん? ああ，もちろん，わかってる，わかってるよ。
　　　　　オレが変わらないと前と一緒だからな。うん。そう，そうだ」
レドリル「名前，短くしようよ」
国王　　「そうだよなぁ，やっぱそうだよな。そう思うよな。
　　　　　長いもんな。オレもそう思う。よし，それから行こう。
　　　　　うおー，なんかメチャメチャやる気でてきた。
　　　　　いろいろやってから出て行くのも悪くないな」

そしてレドリルとメーテルは999に戻り，国王はそのまま惑星じゅげむへ残ったのだった。


その後，しばらくしてこの星の名は

通称であった惑星じゅげむが正式となった。

国王が惑星じゅげむから逃げ出した

という話はとくになかったという。






−次回予告−
そこは身動き一つ取れないような場所だった。
人の流れに流され，レドリルは999に戻れるのだろうか
次回，第015話は「超過密住国」をお送りします。