銀河鉄道 Another Journeys レドリルアドベンチャー

−前回のあらすじ−
 キーアデスを出発した各停列車はヌームへ向った。
 そこで降りた男は，少年に勇気づけられたのだった。

第007話 新たなる旅立ち その1

タッタッタッタッタッタッタ　ガラガラガラガラ

車掌　　「お待たせいたしました。
　　　　　えー，次の停車駅は 惑星グレイン。停車時間は……」
黒服の女「車掌さん……」

黒服の女性が車掌に話しかけた。
車掌は案内をやめ，その女性の方へかけていった。

車掌　　「ハイ，なんでしょうか」
黒服の女「999は大丈夫ですか?」
車掌　　「キーアデスでほぼなおってます，ハイ
　　　　　応急とはいえ，なかなかの出来栄えです」
黒服の女「グレインではさらに修理を行うのですか?」
車掌　　「今後の襲撃に備え，さらに装甲をアップする予定です，ハイ。
　　　　　しかし，銀河鉄道を襲うなどというのは，よほどの自信があるというか，
　　　　　命知らずというか，無謀というか，なんともはや……」
黒服の女「不可侵協定を破るくらいですから，よほどの自信でしょう。
　　　　　それが何を意味するか，わからないほどの愚か者でもないでしょうけど
　　　　　何か意図があるのか，ただの愚か者か……」
車掌　　「…………私は恐ろしい…………」
黒服の女「……! あ，ごめんなさい，引き止めてしまって」
車掌　　「いえ，問題ありません。それでは職務に戻りますです。
　　　　　え〜，次の停車駅は 惑星グレイン。停車時間は〜〜」

だんだんと見えてくるその星，惑星グレイン。
楕円の模様が描かれたその姿は，何かを見つめる瞳のようにも見えた。
機関車は，その星の厚い大気を抜けていく。

フォォォォォォォォォ……………

前方に見える空中駅へ，機関車はゆっくりと降りていった。

そのころ，各停列車は小惑星群居住地区1丁目を出発し，
惑星グレインへ向かっていた。
少年は気疲れからか，また眠りこけていた。

少年は眠る。ただひたすらに眠る。

簡単に眠る事ができない者に比べ

長い旅に適応していると言える。

ただ悠長なだけかもしれない，

深い考えがあるのかもしれない。

それは本人の知るところだ。



そんな彼が決断の時が目の前にしたとき

どんな反応をするだろうか……



彼はそんなことを思うこともなく

ただひたすらに眠るだけだ。




−次回予告−
少年はグレインで再び黒服の女性に出会う。
だが，予想もしなかった事態へ急転してしまう。
次回，第008話は「新たなる旅立ち その2」をお送りします。