銀河鉄道 Another Journeys レドリルアドベンチャー

−前回のあらすじ−
 各停列車の終着駅，グレインが見えて来た。先に超特急が到着した。

第008話 新たなる旅立ち その2
アナ　　「次は，終点，惑星グレイン，惑星グレインでございます。
ウンス　　どなた様もお忘れ物のないようご注意ください。
　　　　　次は惑星グレイン，終点です。」

少年はそのアナウンスを聞いて，むくりと起き出した。

少年　　「う……うーん……もうすぐ到着かぁ〜」
ロッテ　「おはよう，よく眠れたかい?」
少年　　「うーん，眠れたような眠れないような。よくわかんないなぁ」
ロッテ　「その割にはスッキリした顔してるじゃないか。眠れた証拠だよ」
少年　　「ふーん，そういうもんかなぁ」
ロッテ　「そういうもんだよ」

少年は，窓から前方に見える惑星グレインをながめた。

少年　　「変な模様のある星だなぁ……あれが終点なの?」
ロッテ　「ん，ああ，そうそう。あれがこの路線の終点。
　　　　　ここの駅は面白いぞ。空中に都市があってね，そこに駅があるんだ。」
少年　　「く，空中に都市!? ビルとかが浮いてるの?」

驚く少年。それを聞いたロッテは吹き出しそうになった。

ロッテ　「ビルが浮く……か(笑) 面白い発想だね^^)
　　　　　そうじゃなくてね，大陸そのものが浮いてるんだよ。
　　　　　その上に，ビルとか駅があるのさ。いまグレインの大気層に
　　　　　入ったから，じきに見えてくるよ。見ててごらん」

しばらく列車が走っていると，前方からなにかが見えはじめた。
次第にその姿が現れはじめた。大きな島のようなものが，宙に浮いていたのだ。

少年　　「ほ，本当だ。あれが……!?」
ロッテ　「そう，あれだよ」
少年　　「不思議だなぁ。なんで浮いているんだろう。あれ，落ちないの?」
ロッテ　「いや，そこまでは知らないけど，ああやって浮きっぱなしだよ」
少年　　「ふーん。さっき，宇宙から見たときに見えた模様ってあれなのかな」
ロッテ　「いや，違う。違うんだけど，あの模様が何なのかは俺も知らないんだ」
少年　　「なんか，キーアデスにいたときより，わからないことだらけだなぁ」
ロッテ　「この宇宙には俺達の常識も通用しないこともあるし，まだまだ
　　　　　人間にわからないこともたくさんある。だから面白いんだよ」
少年　　「だからこうやって旅をしてる，でしょ?」
ロッテ　「当り!! するどいなぁ」

だんだんと近づく空中都市。立派なビル郡の中に，駅はあった。
列車はビルを抜け，駅へと入っていった。
列車が止まると，二人はホームへ出た。
ホームがなにやら騒がしい。なにか普通と違うことを二人は察した。

少年　　「なんだろう。なにかあったのかな」
ロッテ　「ふーむ。あっちに人が集まってるな。行ってみようか」

そこには，超特急の車掌と駅職員と警官がいた。
ロッテが近づき話しかけると車掌が焦りながらこういった。

車掌　　「じ，実はお客様が……(汗)」

乗客である黒服の女性が，何者かに連れ去られてしまったようだ。


自分の予想もつかない冒険が

はじまろうとしている。

いずれそうなると思っていても

いざとなると

なかなか踏み出せないものだ。

少年はどうだろうか。

だが，少年の目は

怖じ気づくことはなかった。




−次回予告−
少年とロッテは黒服の女性の救出に向う。
だが，エネルギーが切れて，銃を撃てなくなってしまう。
次回，第009話は「新たなる旅立ち その3」をお送りします。