・「コンピュータの発達で失われるもの多い」中学生の半数が同意
・「コンピュータの発達で失われるもの多い」中学生の半数が同意
ベネッセが小学4年生から高校2年生までの約1万人に対して「子どものICT利用実態調査」というのを行ったそうで、その速報版が公開されています。
高校生の所有率が90%を超えてるとか、すげぇなぁとか思っちゃうよ。当時の自分なら、携帯電話いらないからその維持費分を小遣いとして上乗せしてくれ、とか思うよ、たぶん。
そんな速報版をながめてると、ところどころ首をかしげるところがある。
たとえば、携帯電話の利用頻度。
「家族に電話をかけること」と「友達にメールを送ること」しかまとめてない。その結果、
“小学生は「家族への電話」が多いのに対し、中・高校生は「友だちへのメール」が多い。全般に女子の利用が活発。”と結論付けてる。
いや、待て。その比較はおかしい。それならば、「家族へメール」「友達と電話」も無いと意味が無い。速報版だから仕方ないのかもしれないが、これではまるで、はじめに結論ありきで、結論付けるための都合のよい集計結果を提示してるだけの、ダメ論文みたいではないですか。普通に考えたら「友達に電話をかけること」がどの世代も多いと思うんだが。
ほかにも、ICT全般に関する意識と実態として、科学技術観ってのがあるわけですが、その中で「Q.次のような2つの意見について、あなたの考えに近いものはどちらですか。」という設問がある。
▼インターネットと覚えること
A.インターネットで調べられることは、無理に覚える必要はない
B.インターネットで調べられることでも、できるだけ覚えておいたほうがよい
これはねぇ、インターネットを、辞書とか参考書とか適当に変えればいつの時代でも通用する定番の質問になるわけですが、どの時代でもおそらくはA
彼らにはテストが待ち受けていて、物事を覚えないとどうしようもないから。仕事するようになるとだんだんとそうでもなくなってくるけどねぇ。覚えてないとどうしようもない事はあるけど、そうでもないこともある。そうでもないことは調べればいいだけなので、無理して覚える必要がない、と私もだんだんそんな風に考えるようになってしまったよ。ただし、どこをどう調べればするわかるかを覚える必要があるが。ま、結局覚えるということは消失しないんだけどね。
▼コンピュータの発達の功罪
A.コンピュータが発達すると、世の中がよくなる
B.コンピュータが発達すると、失われるものが多い
この設問はおかしい。
世の中がよくなるということと失われるものが多いということが相反したものになっていない。こういう風に聞かれても、たとえば私個人的には、世の中がよくなると思うが、同時に失われるものも多いだろうと思ってしまうので、どちらよりかと聞かれても非常に困る。リンク先ではまとめとして「意見が二分した」と結論してるが、そりゃ二分するだろう。同じ人間の中でも二分するってのに。