艦長「古代、そろそろ歩数をサイトに登録するんだ」
古代「わかりました。島、データをこちらへ頼む」
島「航路データと一緒にメインコンピュ…タ、あれ?」
ヒュウウウゥン
暗くなる艦内。そして静寂。
古代「……島、またか」
島「またかって、オレこんなこと初めてだけど」
ユキ「だめよ島くん、失敗は認めなきゃ」
島「え?え? これオレのミスなの?」
太田「島さん、勘弁してくださいよ。索敵データ入れなおしじゃないですか」
島「お前まで……」
相原「艦長、サブ回線もダメです。全部落ちたみたいです。そろそろ長官からの定時連絡なのに……」
ちらりと島のほうを見る。冷たい目線が島に突き刺さる。
島「相原……」
相原「艦長、どうしますか?」
艦長「うむ……、それは復旧してからでいいだろう。まずは復旧からだ」
古代「島、なにした?」
島「いやオレは何も……、データを送ろうとしただけで」
後ろから真田技師長が肩をたたく。
真田「何もしていない……、最初はみなそう言うんだ。それじゃ解決には結びつかない」
やれやれといった表情で真田は続ける。
真田「もう一度落ち着いて、何をしたか思い出すんだ。ゆっくりでいい。そこに必ず原因がある」
島は自分の行った操作を1つ1つ説明していく。
真田「ふーむ、操作に問題は無い。」
島「ですよね」
真田「お前が本当のことを言っていれば、な」
島「え?」
ユキ「島くんは嘘をつくような人じゃないと思ってた……」
島「え?」
古代「島、みそこなったぞ」
島「え?」
太田「島さん、最低ですね」
島「え?え?」
相原「今日の報告は大変だなー(棒読み)」
島「…………」
艦長「島、しばらく第三艦橋で1人頭を冷やして来い」
島「1人でって、他のクルーは?」
艦長「第三艦橋からはずす。あそこはお前が守れ」
島「もうすぐガミラス本星ですよ? 」
艦長「だから1人で第三艦橋で戦えと言っておる」
島「第三艦橋が落ちたらどうするんですか。1人でどうしろと……」
艦長「そうならないようにがんばれ。十分に反省したらここに戻す。なに、万が一のことがあっても、お前の航海術ならなんとかなる。」
島「無理無理無理無理」
艦長「古代、連れて行ってやれ」
古代「はい。さあ、行くぞ」
島「やだ!行かない!オレ悪くないもん!何もしてないもん!」
古代「ダダをこねるな!」
ユキ「みっともない」
太田「見損ないました」
相原「日誌も書くこといっぱいだなー(棒読み)」
島「お、お前ら、後でぜってーぶっ飛ばすからな!」
引きずられるように連れて行かれる島。
第三艦橋の入り口。
古代「後は1人で行けるな」
島「行かなきゃダメか」
古代「島。よく聞け」
島「なんだよ」
古代「男にはな、落ちるとわかっていても、行かなきゃならない時もある」
島「やっぱり落ちるのかよ」
古代「死ぬとわかっていても……」
島「死ぬのかよ!」
古代「まぁ、とにかく、お前はそれをわかっていた」
島「わかりたくないよ!」
そのころ第一艦橋では徳川が息を切らせて入ってきた。
徳川「はぁはぁ、艦長すみません」
艦長「どうしたんですか、機関長」
徳川「エネルギーを切らせてしまいました」
艦長「そうですか」
徳川「今、若いのにやらせてますが、復旧まで少しかかります」
艦長「そうですか。あとのことはよろしくお願いします」
徳川「はい」
真田「艦長、島はどうしますか?」
艦長「島、か……」
艦長「何もかも島懐かしい」
……ということで、歩数を登録しようと歩数計のボタンを押したら、一瞬音がしてそのまま落ちました。電池切れです。長かった歩数との戦いもついにこれで終わりのようです。水没したのに、よくがんばって動いたなぁなどと思いながら、また気が向いたら電池を入れて再びイスカンダルへ向かって歩いていきたいと思います。
まぁ、たぶん電池入れないんでしょうけど。