本棚を整理してたら、こんなの発掘しましたよ。
「めざせ漫画家! 手塚・赤塚賞受賞作品集」の第7巻。
少し拙い解説をしてみます。
手塚賞と赤塚賞は、集英社が行っている新人向けの少年漫画賞で手塚賞が普通の作品、赤塚賞がギャグ漫画を対象としています。「バクマン。」でも語られてますから細かい話はしませんが、歴史は古く、名だたる漫画家がこれらで賞を取ってデビューしてたりします。
この「めざせ漫画家! 手塚・赤塚賞受賞作品集」は、80年代後期から90年代後期まで発行されたもので、その年にこれらの賞に入選したり佳作を取った作品を本にまとめて年に2冊くらい発行していたものです。全20巻まで発行されています。
似たようなものに、「ホップ☆ステップ賞SELECTION」なんてのがありまして、こちらは同じように新人向けに毎月行われていた「ホップ☆ステップ賞」で入選してたりした作品を集めたもの。普通に考えたら、いくら入選や佳作を取って優秀な作品とはいえ、新人の応募作品を集めて発行して商売しようって考えるのはすごいと思います。当時のジャンプの勢いはすさまじいものがありましたからねぇ。
そんなわけで、「めざせ漫画家! 手塚・赤塚賞受賞作品集」の第7巻ですが、この本には以下の作品が収録されています。
作者名 | 作品名 | 備考 |
藤崎竜 | WORLDS | 第40回手塚賞準入選 |
薮野てんや | 情熱のクリッパー | 第40回手塚賞準入選 |
稲垣洋一 | NON-STOPPER | 第40回手塚賞佳作 |
三部敬 | 鳥の視点 | 第40回手塚賞佳作 |
川村孝一郎 | CHEESE | 第40回手塚賞最終候補作 |
わたべせいじ | 世界一速い男 | 第33回赤塚賞準入選 |
小津萌 | 百年と少し前のお話 | 第33回赤塚賞準入選 |
福田撤守 | イサオザワンダフォー | 第33回赤塚賞佳作 |
常陸直也 | ハイパー小学生 | 第33回赤塚賞佳作 |
鷹田翔子 | MAN or DOG? | 第33回赤塚賞最終候補作 |
上記の中で、わかる範囲内で活躍中なのは以下の方々。
・藤崎竜
「PHYCO+」「封神演義」など。現在、ジャンプスクエアで「屍鬼」連載中。
・薮野てんや
「うるとら☆イレブン」「デジモンアドベンチャーVテイマー01」など。現在、コロコロコミックで「イナズマイレブン」連載中。現在のペンネームは「やぶのてんや」。
・三部敬
「ブラックロッド」「パズル」「菜々子さん的な日常」など。現在はヤングガンガンで「鬼燈の島 ホオズキノシマ」を連載中。ペンネームは他に「三部けい」「瓦敬助」。
誰だろう? と思って調べたのだけれど、作品としては「菜々子さん的な日常」シリーズだけ知ってた。
肝心の中身ですが、面白いかと言われると(好みもあるでしょうが)、少々厳しいものがあります。普通に本誌などで読みきりが掲載されても、これ連載いくだろうなぁと思うくらい面白いものから、読むのがつらいものまで様々ですから、応募作品だとどうしてもねぇ。それでも、準入選というのは伊達じゃなく、とりあえず読ませる体裁が整っているのはさすがです。準入選→佳作→最終候補作という順番に並んでいるので、読んでいるとだんだんガッカリ感が強くなるのがどうにもあれですけれども……。
さて、松本零士関連本とか言いながら、ここまで松本零士がまったく出てこないわけですが、いやまぁ、実際、表紙を見て、作品読み進んでも全然出てこないんだから仕方ない。自分自身も、これを発掘して読みながら、なんでこれ買ったんだろうと首かしげてしまいましたよ。
そして最後まで来て、ようやくわかりました。
巻末に、収録作品に受賞時の各審査員のコメントが掲載されているのですが、当時審査員の1人だった松本先生のコメントが載ってる。載ってるっていっても、一言ですけどね。作品ごとに。
ええ、まぁ、それだけなんですけどね。
たぶん他の巻も載ってると思うんで、見かけたらチェックしてみてください。