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ツッコミ日記 Encylopedia


[ゲーム] 人はなぜ連射するのか [長年日記]

2008年06月08日 14:07更新

人はなぜ連射するのか

ここで言う「連射」とは、コントローラのボタンを短い間にたくさん押し、弾などをたくさん発射すること、特記ない限りは人の手で行われるものとします。一般的な定義だと連打と称するでしょうが、使い分けと校正が面倒なので……。そのあたりは気にしない方向で。なお、文章は主観バリバリです。

一般にシューティングゲームにおける連射の必要性が認識されたのは1984年に登場したスターフォースではないかと思います。それまでのシューティングゲームでは、連射できればゲームを進める上で楽になることはあっても、必要とはされていませんでした。有名なところで、1978年のスペースインベーダー、1979年のギャラクシアン、1981年のギャラガ、1983年のゼビウスとありますが、いずれも耐久力のある敵がいるわけでもなく、大量の敵を素早く倒したい場合に連射できればいいだけで、連射できなければゲームを攻略できないというものでもありませんでした。それを一変させたのがスターフォースでした。

このゲームはそれまでのシューティングと異なり、隠しボーナスの存在による点稼ぎができることが特徴です。ラリオスが光ってから合体するまでに8発打ち込んで破壊すると50000点もらえるとか、ジムダステギを片側15連続破壊すると80000点もらえるとか、クレオパトラを破壊すると100万点もらえるとか…。それらに共通しているのは、短時間に弾をたくさん発射しなければ破壊できないということで、プレイヤーの連射能力が問われるものでした。そのためこの能力を発揮し、これらのボーナスを取得できることは、ある種のステータスにもなっていました。しかしこれはあくまでゲームセンターでのことで、狭い世界の話でした。

しかしこの連射能力によるステータスを爆発的に認知させた人物が登場しました。

高橋名人です。

彼の登場と全国キャラバンの展開により連射はブームとなっていき、シュウォッチなども発売されるに至りました。そしてハードウェアの向上も相まって、次第にシューティングゲームは連射して当たり前となっていきます。連射できない人にとっては楽しめない状況でしたが、それに対しては連射機能をもったコントローラーが出たりしました。とはいえ、それらを使って攻略したとしても道具を使ったインチキとして周りの反応は冷めたものでした。

その後、ゲームそのものが複雑化し、撃つ事だけではなく避けることやその場の判断などゲーム中にやることが増えていくにつれて連射機能の存在価値が高まっていき、人の手では実現できないレベルの連射をすることでゲーム性が一変するようなゲーム(たとえばダライアス外伝)が登場すると、むしろ連射機能はあってしかるべきという状況に至った。

現在でははじめからソフトウェア的に連射機能がついており人力による連射を駆使せずともゲームが成立するものが多い。特に弾幕シューティングにおいては、むしろ避けることやシステムを活用することのほうがゲーム上重要視されているため、そもそも自力での連射が意味を成さず、むしろ操作上邪魔になってしまう。人によっては、「連射機能が無いならやる気しない」とまで言わしめるほどである。

連射は絶滅してしまうのだろうか。

否。それでも人は連射を止めない。

なぜか。

それは、そこにボタンがあるから。

理屈じゃ、ないんだよ。

じゃなきゃ、こんなの出ない。

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