昨今、P2Pツールを介した情報漏えいがなにかと話題になっております。
・Winny通信の遮断は「通信の秘密」を侵害−−総務省判断をぷららが受け入れ:ITpro
最近のものだけでもこんなにある。ニュースにならないような細かいものだともっとあるのだろうなと思います。企業でもこういったツールに対する規制をするようになり、P2Pツールの通信ができないようにするところもあるようです。
シャレにならないようなものが漏えいしてる状況下でこういったP2Pツールに対してなんとか対策をしたいと思う人もいれば、道具そのものを規制するのはナンセンスと思う人もいて様々。特に著作物が違法に流れてる状況は、それを管理する者にとって由々しき事態であり、なんとかしたいところなのでしょう。個人に対する影響はというと結局、P2P系のソフト使用を規制するか、転送量規制か、といった感じの規制がISPレベルではじまっています。
大手だと@niftyやBiglobe、ASAHIネット等で遮断ないし帯域制限が行われてます。ぷららは上記どおり、制限を行う予定だったところに、総務省からの待ったがかかった状態。私が利用しているプロバイダも上りの転送量規制をはじめてます。
制限に対する考え方も様々で、
(1) WinnyをはじめとするP2P系ツールの使用に対する制限
(2) 帯域そのものを圧迫するような使い方に対する制限
に大別されます。
(2)のほうはツールによる規制はなく、たとえば制限内であればWinnyなどを利用することも可能であるところもあり、ISPによって対応が様々です。
特定の人物がネットワーク帯域を占有することで他のユーザーに迷惑がかかるという一見立派な理由を掲げた上で制限をかけているけれども、そもそも用意されている回線・サービス自体に対して、それに耐えられないインフラ設備しか用意していないISP側に問題があるわけで、ユーザーに負担を負わすのはどこか間違ってる。
たとえばはじめからユーザー全員に対して平等な帯域制限を施して利用帯域に上限を設ければよいわけで、それをしないのは「○○は回線が遅い」と言われたくないとか、そういう設定・設備に対して投資したくない、あるいは即座にできないというISP側の都合が見え隠れする。
また、制限に対する理由として昨今の情報漏えいに対する防衛としてユーザーに対する安心感を与えるというものもあります。コンピュータウィルスに対してなんら防御を取れない人たちに対して、ISP側が用意したウィルスプロテクション系のサービスはなかなか好評のようです。そういった意味から、情報漏えいに対してISPが対策をするということは、ユーザーに対して良い意味でアピールになる。P2P系ツールを使っている人たちは全体からすれば一部でしょうから、その他の大多数に対してアピールすればいいわけだ。
確かに情報漏えいに対する対策は歓迎したい。が、そのおかげで、回線利用ということに対する利用の幅が狭まってしまっているのも事実。WinnyやShareのような利用ではなく、単純に何かを誰かに送りたいような使い方をしたら、ふと気が付くとISPから警告される。そんな状況になりつつある。
私が利用してるISPの規制は、上りに対して15GB/日までというもの。15GBのデータを1日かけて通信した場合、平均速度は1.42Mbpsとなる。帯域を食い尽くすような速度ではないんだよね。たとえば自宅でサーバをたてて外向けに公開したとしても、この制限がある限りは油断できない。動画配信なんか行った日には、あっという間に15GBなんぞ到達する。
まぁ、そういうヘビーな使い方をするユーザーはISPからすれば邪魔な存在かもしれませんけどね。ヘビーな使い方したいなら、別プランでそれなりに金払えって思うでしょうし。
ところで、なぜ、Winny等を使うパソコンに、仕事で使うような資料が入っていたのでしょうね?
ウィルスが悪いとかWinnyが悪いとかいろいろと言われてますけど、根本的にそこのところに問題があるように思えますよ (Winny等でやりとりされるデータの違法性云々は情報漏えいとは別次元の話なので別にして)。ヘビーユーザーなら普段使うパソコンとWinnyが起動してるパソコンは別だろうし、漏えいしてるのって案外普通のユーザーじゃないのかな。まぁ、そんなことはどうでもいいですけどね。
何かをやりたい時に、やれる手段が制限されるってのも、厳しい世の中ですね。