そういえば先日、PSPの新型として「PSP Go」が発表されました。基本的な性能は従来のPSPとまったく同じで、デザインやゲームのプレイ方法が大きくかわっています。
特徴を箇条書きにしてみると、こんな感じ。
・UMDドライブを廃止
・内蔵に16GBのフラッシュメモリー
・ソフトはダウンロード販売 (無線LANかPS3、PCを介する)
・操作用のボタンはスライド式 (スマートフォンみたいな感じ) になったので、ゲーム機本体として左右の幅がかなり縮まっている
・大きさ 128×16.5×69mm、重さ 158g
・液晶は3.8インチ (ちょっとだけ小さくなってる)
・メモリースティックMicroスロット (従来のメモステは使えない)
・Bluetooth搭載
・発売は11/1
・価格は26800円
従来のPSPとの違いは、価格.comで比較してます。
とりあえず、PSP Goに完全に切り替わるわけではなく、PSP-3000と併売されていくそうなので、従来のPSPユーザーはとりあえずは安心できる。良かった。ま、あくまでもとりあえずでしかないですが。
ゲーム機としてのあり方としては、個人的には“あり”だと思います。携帯ゲーム機に限らず、この手のものは携帯性や操作性というのは特に重視すべき点だと思うので、方向性としては決して間違ってない。しかも物理的にパッケージソフトを装着しない手段だと、ドライブの読み込み時間や面倒さからの開放というプレイヤーが望んでいたことの実現、中古ソフトの存在というソフトウェアメーカーの悩みの種も解消、どこぞからダウンロードしてきたソフトを使ってタダで遊んでることに関係各社があまり頭を悩ませなくてすむという、いろいろな利点を含んでいますね。
ただ、これはこれで少々、問題点というか、既存プレイヤーとしては気になる点があります。
それは、今まで入手したソフトを生かせない、ということ。いままで発売した過去のPSPソフトもダウンロード販売するそうですが、現状では既存資産を生かす手段が提示されていないので、すでに持ってるソフトをPSP Goで遊びたい場合は買いなおす必要がある、ということになってしまうのであります。そのあたりがどうなるか……。
ちなみに私は、欲しい専用ソフトでも出れば別ですが、いまのところ買う気は特に無いです。どうしても、形のあるソフトのほうに愛着が沸いてしまうので、今持ってるPSPでプレイします。愛着ってのはちょっと違うか。なんていうか、所有してることの安心感と満足感と充実感。ソフトがね、羽をはやしてメーカーから飛び立って自由になってる感じ。何者にも縛られずに、いつでも好きなときに自由にプレイできるってすばらしい。
ダウンロード販売だと、何かこう自由が少ない感じがしてしまうんだよね。パッケージ販売には無い自由がある代わりに、パッケージ販売が持ってる自由のいくつかを無くしてる。仕方ないことなんだけどね。
そのかわり無限の可能性がある。
パッケージ販売だと、本体かソフトのどちらかが物理的に壊れてしまったら、プレイする手立てがなくなる。古いものであればあるほど、それを元の状態に戻す手段が極端に少なくなる。もしそのソフトが、あるいは本体が、中古市場でレアなものならば、下手をすればもう二度と手に入らないかもしれない。でもエミュレータを使った手段であれば、技術的には永久に過去のソフトを楽しむことができるわけだ。
Wiiのバーチャルコンソールはそれを商売にした1つの形だし、今は他のゲーム機でも似たようなことをやっている。だからこそ個人的に声を大にして言いたい。「電波新聞社がX68000でリリースしたソフトをプレイできるようにしてくれ!」と。ファンタジーゾーンのスペハリ面をプレイしたり、バブルボブルのサイバブルンをプレイしたり、古代祐三・永田英哉の曲を聴きながらボスコニアンをプレイしたりしたいですよ?
それと気になることは、いまのところ併売をうたってはいますが、おそらくは次第にPSP Goへとシフトしていくのだろうと容易に想像されます。ということは、次第に旧式のPSPが市場から消えていくことにつながるわけですが、そうなった時に既存資産であるPSPのソフトとUMDビデオソフトをどうやって再生するのかがネックになると思います。独自規格のディスクを使っているソフトならではの悩みかもしれませんし、別にPSP Goがリリースされずに普通にPSPが終了すれば同じことですけれども。5インチのFDが手元にあっても、ドライブが……というのと一緒か(笑)
まぁ、あれだ。
ダウンロード販売だのパッケージ販売だの、気にしてるのは私のような濃い人と、お店の人くらいで、普通の人からしたら、
…なのだろう。
たぶん。