学校で死因について教わると思います。私が教わった頃から、悪性新生物がトップに君臨しており、今もなおその座は揺るぎません。厚生労働省が発表している統計資料によれば、死因は上から悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、肺炎と続いており、中でも悪性新生物はダントツです。昭和50年中盤以前までは脳血管疾患が第1位だったのですが、年々増加傾向を示す悪性新生物にとって変わられ、いまだに増加傾向はとどまるところを知りません。
……というのが、世間的な常識というか、多くの人が認識してることだと思います。さて、ここで面白いグラフを提示してみます。
これは悪性新生物による死亡者数(青い線)と、厚生労働省の人口動態統計に無いある件数(ピンクの線)との推移比較となっています。1981年から2007年までの数値をプロットしたものです。すでにご存知の方、勘の鋭い方は何のグラフかわかるかもしれません。
死因として他の追従を許さないほどの勢いを持っている悪性新生物ですが、1981年当時はそれすらも遥かに凌駕する存在がかつてあったことがこれを見ればわかると思います。悪性新生物に対して片方は年々減少傾向にあり、2004年になって順位を入れ替える形となっています。学校でもテレビでも教えてくれませんが、教科書に書いてあることはすべてではないのだということを、この事実とともにぜひ受け止めてください。
ちなみに、これが何の数字かというと、
妊娠人工中絶件数
です。
ちなみに、今回の日記は中絶を批判するとか何かそういう意図を持ったものではなく、ただ単に事実を知ってもらいたかったので書いたものです。これを見て何を思うかは人それぞれだと思いますから、私は知ったこっちゃないです。ただ、何も見ないで何も思わないよりは、これを見て何かを思ってくれれば、それでいいかなぁ、と。
今回の元ネタ。
厚生労働省発表統計資料
・第7表 死因順位(第5位まで)別にみた死亡数・死亡率(人口10万対)の年次推移
・厚生労働省:平成19年度保健・衛生行政業務報告(衛生行政報告例)結果の概況
国立社会保障・人口問題研究所発表統計資料