世の中はそんなことを言いつつも、なんだかんだで大学卒業者(しかも新卒)が優遇されて求められるのは矛盾を感じざるを得ない。
例えばシステムエンジニアになりたいと考えて専門学校に進んだ人と、大学に進んで特にコンピュータの勉強してないけどそっちに進んでみようと考えた人がいて、同時に就職活動すると、たぶん大学生のほうがいい会社に入ってる可能性が高い。もっとも、上の会社ほど、欲しい人材はプロジェクトを管理できる人間だったり、提案なり企画ができる人間だったり、コンサルティングができる人間だったり、設計できる人だったり……なので、最終的にそういう人になれそうな人を選ぶわけだから仕方ないのかもしれないけど。
新卒信仰もさ、第2次ベビーブーム世代までのやたら人がいる状態ならともかく、少子化が叫ばれているこれからの人たちに関しては、そんなことも言ってられないんじゃないかと思うわけですよ。そりゃまぁ、ピラミッドの上のほうの、(弊社基準で)優秀と思われる人材しか取りませ〜ん、ということであれば、就職活動からあぶれちゃった就職浪人組から人材を選ぶということはしないのもわかる。でもそうでなければ、たくさんいる新卒者の中の、下層の人より優秀な人というのは就職浪人組にもいるはずなんだよ。でも今の世の中は、新卒からあぶれちゃうとチャンスすら無くなる。ちょっとかわいそうな気がしますな。まぁ、会社によっては卒業1年経った人も新卒扱いする場合もあるでしょうけれども。
受験と関係ないな。
私は将来の目標がはっきりしない人でした。小学生の頃から、将来何になりたいか、と問われても、何も思い浮かばずに答えられませんでした。これといった目標は無かったんですよね。今の自分に、10年後の自分はどうなっているのかと考えてもピンと来ないので、今もたいして変わりませんが。
そこで小学生6年生の自分は考えた。とりあえず勉強しておけば、いざ目標ができた時に困らないだろう、と。目標ができた時に、選択肢の中に目標に該当するものが無かったら、意味がない。でも勉強して成績を上位で維持し、良い進学をしておけば、そのうち目標ができた時に選び放題である、と、そう考えた。今は目標が無いが故に、今自分ができることをやっていたわけです(ただし実際に勉強がんばったのは、中学に入ってから)。
だからもし、かつての私のように将来の目標が無いなら、目標が出来た時のためにとりあえず勉強しておけと思う。
それで勉強してどうなったかというと、高校で進路を検討した際に、困ることは特になかった。困ったといえば、さてどこに行こうかというくらいかと。
私はその時点ですら将来何になるかということが頭に無かったので、いざ大学進学先を問われても即答ができなかった。それで取った手段が、消去法でした。学部学科をならべて、大学卒業後の就職も視野に入れた上で行きたくない学部学科から消していく。ただそれだけ。選択で理系クラスにいたので文系の学部はもとより選択肢には入れてませんが、教師の道もあるので教育学部は選択肢に入れてました。その中でまず医学部が消え(血が苦手、ミスしないで診療・治療できる自信がまったくないという理由から)、工学部が消え(就職先がピンと来なかった)、理学部の中でも数学科が真っ先に消え(就職先がさっぱりわからなかった)、とそんなことをしているうちに残ったのが理学部のどこかの学科が1つだか2つだか、と、薬学部でした。それで、薬剤師免許を取っておけば食いっぱぐれることはないだろう、ということから薬学部を受けることにしたわけです。学部が決まったらあとは大学を決めるわけですが、国立から千葉大、滑り止めに東京薬科、浪人したくないので万が一に備えた最終手段的な滑り止めとして昭和薬科。あと親が試しに受けてみたらどうかというので東京理科大も受けた。
たとえば目標が無いからといって、ろくに勉強せずに遊んでばかりいたら、おそらく選択肢に医学部だの薬学部だのは無いだろうし、国立大学も選択肢に無かったはず。何も考えず何も躊躇せずにそういう選択肢を入れられた、ということが困ることがなかったという理由。目標の無かった自分にとって、とりあえず勉強していたのは、一応良い判断だったと思う。
もっとも勉強だけがすべてではないから、遊ぶという選択肢もありだと思う。勉強するにせよ遊ぶにせよ何をするにせよその人の自由。ただし、自分が人生の岐路に立ったときに後悔しないという条件がつく。あるいは後悔してもいいけど、他人のせいにするなということですな。
そういったことをね、早い段階で気づいて行動できるといいんじゃないかと思いますよ。大学受験が迫ってから気づくようじゃ、遅いし。