お菓子のオマケで、オマケが欲しくて肝心のお菓子が捨てられるということがかつてあった。有名なビックリマンチョコである。私はシールを集めていなかったので、特にビックリマンチョコを好んで買うことはなかった。それもあってか、ビックリマンチョコを食べずに捨てるという行為に対して、なぜそれを行うのか疑問に思っていた。お菓子自体はマズいわけではなく、むしろおいしいのになぁなどと思っていた次第である。ちなみに当時、店先に「シール目的でお菓子を捨てる人には売りません」と張り紙がされるような状況だった。
しかし、ひょんなことからこの心理を痛いほど味わうことになる。
2001年、東ハトからスナック菓子「千年伝説」が発売された。カールのチーズ味のようなお菓子に、カードが1枚封入されているというもの。カードは全40種。ところが困ったことにカードは均一に出荷されいるというわけでもないので、たとえば箱で買ったとしても全部揃うわけではない。カードコンプリートの道は想像以上に出費がかさむものでありました。
ただ単に40種揃えるだけなら、トレードという手段があったのでそれはそれで問題はない。何が問題だったかというと「直筆サイン入りカード」の存在だった。40種揃えたとしてもそれで終わりではなく、そこに欲しいものがあればとことん突き進むしかない。近所に在庫が無くなれば、仕事場近辺まで手を伸ばし、だんだんと購入範囲が広がっていく日々が続いた。ここまでくると手に入るかどうかというよりも“どこでこの行為に納得して止めるか”という状態に陥った。もはやコレクターとしての意地と理性の戦いである。
一方では、お菓子本体がどんどんたまっていくわけである。一気に大量消費しても良いが、さすがに摂取カロリーのことを考えると限度がある。なるほど捨てたくなるのもわかる。私はチーズ味のカールっぽいお菓子は嫌いではなかったから良いものの、この手のお菓子が嫌いな人はもうどうにもならないだろうなぁと思った。ここまで来ると、もはやお菓子のほうがオマケで、酷い言い方すれば邪魔もの以外のなにものでもなくなってしまっている。メーカー的には売れればいいだろうけど、商品の存在意義としては本末転倒に近い。
でもまぁ昨今のフィギュア付きお菓子あたりは、さらに上をいくレベルでどっちが本体かわからなくなっているのも事実。確か、景品法的にはかなりグレーなのだったけか。真っ黒だったっけか。ま、消費者は(お菓子じゃなくてオマケが欲しいという意味で)わかって買ってるから別にそんなこと知ったこっちゃないですな。
そんな“どっちがオマケなんだ?”の世界についにマンガも参入するようです。DVDのオマケに短編マンガがつくようなものは昔あったけど、今度はマンガにアニメDVDがつくのだそうだ。
・こどものじかん 4巻 特別限定版 (9/12発売、3980円)
本編薬30分のOVA付き特別限定版。
→ Amazon.co.jp: こどものじかん 4巻 特別限定版: 本: 私屋 カヲル
・ツバサ 21巻 初回限定版 (11/16発売、3360円)
DVD「ツバサ TOKYO REVELATIONS 1 魔術師の伝言」(本編25分)付き
CLAMP描き下ろしDVD全3巻収納可能ディスクケース付き
・ツバサ 22巻 初回限定版 (2008/01/17発売、2980円)
DVD「ツバサ TOKYO REVELATIONS 2 少年の右目」(本編25分)付き
・ツバサ 23巻 初回限定版 (2008/03/17発売、2980円))
DVD「ツバサ TOKYO REVELATIONS 3 姫君の視た夢」(本編25分)付き
もうなんて言ったらいいんだろう。特にツバサあたりは、ディスクケース付きだけどその分も値段に入ってるあたりが。