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2011年01月05日(水)

[01/05] 書籍「宇宙戦艦ヤマトと70年代ニッポン」が発売中
社会評論社から「宇宙戦艦ヤマトと70年代ニッポン」という本が発売されています。
この書籍は、時代を象徴するものとして宇宙戦艦ヤマトを題材に、作品を語りながら同時に当時の社会なども分析していくという風変わりな内容となっています。

「宇宙戦艦ヤマトと70年代ニッポン」
 発売 :社会評論社
 発売日:2010/11/22
 ISBN :978-4784519019
 価格 :2415円
 著  :アライ=ヒロユキ
 目次 :
  序章 時代の危機に、ヤマト復活
   一九七七年、ヤマトは時代を動かした
   新作を生み出せないアニメ産業のかげり
   地球を救うため、なぜ戦艦大和が甦るのか
   七〇年代のスローライフ宣言が意味するもの
  
  第1章 サブカルチャーの誕生
   ヤマトシリーズ全編に流れるもの
   パート1にこそ、ヤマトのすべてが
   ブラウン管の中の未知の体験
   誰も見たことのない光景が、第一話で展開された
   苛烈な戦闘は人間ドラマを際だたせるために
   「世界」の創出がサブカルチャーの始まり
   アングラ映画からサブカルへ受け継がれたもの
   リアリティの再構築が、アニメ進化の法則
   「日陰者」の意地がサブカルを成長させた
   ヤマトのリベンジは海外進出から始まった
   角川映画と劇場版ヤマト。映画界新参者の戦い
  
  第2章 ヤマトの作者は誰?
   ケース1 西崎義展:時代への警鐘をくろがねの軍艦に託して
   ケース1.2 西崎義展:もののはずみから、ヤマトに名称変更
   ケース2 松本零士:戦争ではなく宇宙の大航海物語を
   ケース2.2 松本零士:松本ファンタジーに悲劇は似合わない
   ケース3 藤川桂介:主人公に時代への批判を込めて
   ケース4 舛田利雄:古代進のルーツは石原裕次郎?
   ケース5 宮川泰:歌謡ポップス最良の伝統をヤマトに込める
   ケース6 ゼロから作り上げたヤマトの色
   ケース7 動き、デザイン、効果音。すべて新しかった
   ケース8 軍艦マーチ事件。作品をめぐる解釈のズレ
  
  第3章 大切なコトはみなヤマトから学んだ
   老人の思想1 信念の男、沖田十三
   老人の思想2 自由人、佐渡酒造
   ヤマトは学園ドラマでもあった
   森雪:料理下手はヒロインの証
   洗練されたファシズム社会の魅力、ガミラス
   熱狂的ファンを生んだデスラー総統の気品と狂気
   ガミラス凡人伝:中間管理職の悲哀
   「古代君が死んじゃう!」で、声優が確立した
   目の前の現実より、魅力的なリアルがある
  
  第4章 ヤマトは軍国主義か?
   波動砲は殺すために使わない
   困難突破に、使うのは英知
   メカの魅力は、威力ではなくリアリティ
   決して「負けない」強さに心を熱くした
   日本の外の視点を持とうとしない、大和フィクション
   空想科学小説のヒーロー、戦艦大和
   フィクションと史実のはざまで、藤川桂介がめざしたもの
   架空戦記と大和元乗組員の意識のズレ
   七色星団の決戦:敵味方を超えた、人としての共感
   ビーメラ星は植民地主義を告発する
  
  第5章 西暦2199年、過去への旅
   宇宙描写の多彩さでは、ナンバーワン
   ヤマトのルーツは西遊記だった
   ガミラス:科学信仰は宇宙帝国主義へつながる
   イスカンダル:C・S・ルイスと自然法の愛の思想
   イスカンダルかガミラスか。両者の間で揺れるヤマト
   未来への希望に裏づけられた物語、スター・トレック
   過去に「新たなる希望」を求めた物語、スター・ウォーズ
   科学者・真田志郎は、科学を憎んだ
   相原義一が還るべき故郷は、岩手か?
  
  第6章 孤独を脱した古代進が選んだ道
   「人類滅亡」の時代に求められたヒーローとは
   間違いだらけの古代進の選択
   温和な平和主義者が好戦的に。古代進のトラウマ
   孤独への耽溺が求める、宇宙と機械への合一
   宮沢賢治がマゼラン雲に込めたものとは
   吉本隆明が透視する、ヤマトとガンダムを貫く宇宙教
   オウム真理教が、ヤマトに託した夢
   捕虜を殺そうとして、古代進は他者に気づく
   戦争と競争社会の愚かさを初めて知る
   リーダーシップを否定するリーダーシップ
   対等に学び合う関係こそ、底力を引き出す
  
  第7章 アニメビジネスの誕生
   おたくを生んだ、消費文化の新ステージ
   ファンの囲い込みという、ビジネスモデル
   メディアミックスは、作品イメージ拡大のために
   アニメ音楽という新市場の火付け役もヤマト
   交響曲で狙った、脱子どものハイカルチャー路線
   アニメプラモに、スケールモデルという発想を
   『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』はどう受け止められたのか
   続編で重視されたのは、エンタテインメントの盛り上がり
   時代は新展開へ。アニメ映画とアニメ雑誌の出現
   仮想敵はヤマト! ガンダムの挑戦
   クールジャパンの先駆け、ヤマトの愛され方
  
  第8章 続編検証:変節と不変のヤマト魂
   『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』〜大スケールの悲劇で失われた闊達さ
   『宇宙戦艦ヤマト2』〜勝利の爽快感とは無縁の戦い
   『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』〜デスラーがシリーズ影の主役に
   『ヤマトよ永遠に』〜昼メロ仕立てで強引な盛り上がり
   『宇宙戦艦ヤマトV』〜平和をめぐるデスラーと古代進の確執
   『宇宙戦艦ヤマト 完結編』〜青春ミュージカルで大河ロマンに幕引き
   自己犠牲で戦いの矛盾を昇華
   自己犠牲は宗教的法悦へと誘う
   ヤマトは負けることにドラマがある
   ヤマトが敵に勝てない構造的理由
   女神が誘う絶対平和の思想
   デスラーはなぜ変わったのか
   迷いだらけの古代進の戦い
   公共哲学から解き明かす、古代進の迷い
   間違いだらけのヤマト批判〜佐藤健志&千田洋幸
   ヤマト復活までの長い長い道のり
   『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』〜「衝撃」に揺れるファン心理
   オカルト思想・アセンションと『復活篇』の関係?
  
  第9章 日本人乗組員だけが語れる物語
   時代の閉塞が求めた日本再発見
   角川映画とヤマトが交叉する地点
   アニメはどう日本に取り組んだか〜宮崎駿&高畑勲、富野由悠季
   在日とサンデル。共同体の再考うながすふたつの問題提起
   ムラの再評価が意味するもの〜守田志郎
   万博=進歩に突きつけられたNO〜アングラ芸術は裸体を武器に
   戦後の忘却を揺さぶる、野性の肉体〜唐十郎
   ヤマトが人間=身体性を強調する意味
   アングラ芸術とヤマトの共通点とは?
   戦艦大和と宇宙戦艦ヤマトの断絶
   崇高さを裏切り、過去を読み替えること
   『パート1』最終回にあらわされたふたつの縮図
   森雪の再生に託された、可能性という希望




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