第11話 惑星『静かな夢』 | |
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★停車星名
ミーくん メーテル 車掌 大仙人 鉄郎の妹
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★惑星『静かな夢』とは? 静かで,特に何もない。駅の表示板の他は,多くの花と足跡があるだけ。ここは,生まれてくる事の出来なかった子供たちが来る星なのだ。 姿こそ見えないが,人によっては周りに子供たちがいることを感じとることができる。大仙人に気に入られれば,特定の子供の姿を見せ,そして会話をさせてくれる。そんな静かに存在する子供たちの持つ静かな夢からこの星は名づけられた。この星を訪れる人には,子供たちのために静かにいて欲しいものである。 時折,星の場所がかわることがあり,“ミーくんの命の館”をほうふつさせる。 |
★そういえばトランクってどこに置いてある? 1ページ目の2コマ目を見て欲しい。網棚にトランクが2つ置いてあるのが見えるだろう。実は,網棚が描かれているシーンでは,トランクも描かれている事が多い。いたって普通といえば普通ではあるが。 でも,よく見ると,二つのトランクが置いてある場所は,座っている席の真上と後ろの座席の真上。乗客の少ない999だからこそできる芸当だ。そうでなければ,怒られちゃいます(笑) |
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★鉄郎の左手にあるものとは? 1ページ目3コマ目を見て欲しい。そう,ちゃんと腕時計をしているのだ。おそらくクロノグラフなのではないかと思う(松本先生がクロノグラフが好きだから^^)。エターナルで999の発車時刻に遅刻しないのは,腕時計のおかげか!? でも,鉄郎のひざの上のミーくんがラブリーだにゃ〜。にゃんにゃん♪ |
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★静粛運行とは? 999のエネルギーを絞り込んで走っているらしい。車内の照明も暗い。走行音も静かなものである。 |
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★窓は右に,そして左に!? 5ページ目の2コマ目を見て欲しい。鉄郎から見て,窓は“右”側にある。が,同じ5ページの最後のコマを見ると,鉄郎の“左”側に窓がある。高速移動か!?(笑) それ言っちゃうと,鉄郎の帽子の位置もおかしくなってるけどね。うーむ,ミステリィ。 |
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★駅名表示,小っちゃいってことも善し悪し 「静かな夢」の表示の下にある前後の駅名表示。残念ながら解読はできなかった。 左側に書かれているのは“ウチノネコ”っぽいが,確信はできない。 少なくともメタブラディではない。でも,999の次の停車駅はメタブラディのようだ。超特急だからね。 |
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★氷づめの女性を思い出せ!
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★大仙人のお髭は長い長い〜 自分では,ただの年寄りと思っている元科学者。今は,惑星「静かな夢」で子供達を見守ることを務めとしている。 星野鉄郎のことも知っている。でも,なんで知っているのかなぁ? 噂がここまで聞こえてきたのかなぁ。それとも,メーテルが教えたのかな。 |
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★星野…名前判んない 過労から流産となり生まれ出る事のなかった鉄郎の妹。自分の名前を言うときのこの言葉は,とても悲しいものである。この話の感動の全ては,ここに集約していると思う。 “父親の声がした,いつか聞こえなくなった”ということを言うあたり,何かの伏線か,あるいは“さよなら銀河鉄道”を意識したものか,というところだろう。 “夢はいつか光を追い越し時間を追い越すね!!”という言葉は映画では(表現を変えて)イーゼルが言った。エターナル編のすべてを司る不変の言葉であり,名言と言えよう。 |
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★クイーンエメラルダス号の謎の挙動 なんでわざわざ無音航行してまで,『静かな夢』の上空を飛ばなければいけないのだろう…。自分の存在をアピールするとか,次の星へ向っていることを告げるのであれば,わざわざ星の上空へ行く必要はない。通信で伝えればいいことだ。ということは,何らかの意味があるに違いない。ま,まさか,『静かな夢』には生まれ出ることの出来なかったエメラルダスの子供が…!?(深読みしすぎ) |
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★くるりという感じで 線路の先はくるりとなっています。だからどうしたって感じですか?いや,なに,ふふふ。 |
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●深読みしてみる この話は漂流幹線との隠れた作品リンクを構成するものではないか,と考えています。 実は設定が漂流幹線000のものと同じなのです。000の方は,000の添乗員が実は主人公の姉妹(生まれてくれば,の話)。 000の世界では,地球の他に裏球,死球,天球,魔球という地球のもう一つの形が存在します。裏球は,生まれ出ることのなかった者が住む世界。地球からすれば,パラレルワールドというか,同位置にある異次元の地球というか,そんな感じです。999では完全に星というカタチをとっているものの,根底は変わりません。という理由から間接的な作品リンクができたと言えるのです。これで,999の中に000が出てきた日には,完璧(参考までに,エタファンのテクノロジア操車場原画に000がいます。メモコレ参照のこと。)。ちなみに,これを知っていたため最初にこの話を読んだときはピンと来たし,感動もひとしおでした。 もし,この話がアニメ化されることがあったなら(っていうか,して欲しい…),ぜひ漂流幹線を読んでから見て欲しい。いや,見れ。絶対泣けると思う。 この話では“光も時間も追いこす”という言葉がでてきています。これはいったいどういうことだろう。時間を追い越すというのは,いま流れている時間の流れをこえて…という意味であると思う。未来へ向かってのタイムトラベルのようなものだろう。 では,そんなことが可能なのだろうか。可能。物体が高速で移動するとき,その物体の時間の流れが遅くなります。光速に近づけば近づくほど,その効果は絶大。時間の流れが遅くなるということは,同じ時間を過ごしても,通常よりも未来にいることになってしまうのです。 さらに,先日200Xを見てて,こんなことを言っていました。重力ポテンシャルが大きいと時間の流れが遅くなる,と。高いところにいるほど,時間がゆっくり進むということ。ブラックホール(近辺)では時間の流れが遅いというのもこういうことが理由なのだそうです。 (ブラックホール云々は知ってたけど,なぜかについてははじめて知りました^^;) もし,光をこえることが出来たら,時間の流れが極限にまで遅くなり,そりゃもう,大変なことになります。ちなみに,絶対速度では光速をこえることはできないが,相対速度では光速をこえることが可能です。たとえば,まるっきり反対方向に2つの光が進むとします。一方の光からもう一方の光を見ると,光速の2倍の速度で進んでいることになります。こういうことです。 では,光も時間も追いこして,一体何があるのでしょうか? 未来へ行って,なにがあるというのでしょうか? 松本零士世界では,時間を溯る事は出来ないとされています(ちなみに実際の科学分野でも,そうなっているそうです)。つまり,先へ行くしかない。未来へしか行くことが出来ないのです。ところが,松本世界には時の輪という絶対不変の設定があります。 時の輪は,時間が輪を描いているように閉じた状態になっています。未来へ進めば,いずれ出発地点まで戻ってきてしまうというわけ。過去に行きたければ,はるか未来を目指せばよい。ここで最初の言葉を思い出して欲しい。 光も時間も追い越す。これはもしかすると,はるか未来へ向かうことをさしているのではないか,と思うのです。大宇宙全ての根元である宇宙生誕の時かもしれないし,さらに進んで過去のある時点かもしれない。はたしてどうやって太陽系を復活させるのか,については,他の話で深読みしてみようと思います。他作品を組み入れると,いろいろとヒントになるものはありますから…^^) |