(管理局)
サヤカ 「マザービーナス131号より緊急入電。車内で産気づいた女性あり。最寄りの惑星の医療施設へ速やかな搬送を請う!」
司令 「空間鉄道警備隊、フォーマルハウト小隊、出場!!」
ケイト 「白鳥座網状星雲を運行中の特急アルビレオより入電。謎の演劇集団が酒気帯び状態で過激なパフォーマンスを展開中」
司令 「アークトゥルス小隊、出場!!」
ブラッド 「オリオン大環状線、エリダヌス座ポイント309の軌道リングに謎の宇宙生物が巣をかけています。車内に侵入した毛玉が髪や衣服に付着。鼻腔に入った乗客が中毒症状を起こしています」
司令 「アルゴル小隊、出場!!」
(タイトル「静謐の刻」)
(610号車内−トランプ中)
シェリー 「すごーい、またイチ抜け」
有紀 「あ…」
愛 「強いですね、有紀さん」
有紀 「いや、そうでも…」
ルイ 「たかがトランプで何熱くなってるのかしら」
有紀 「え?」
ルイ 「まったく大人げないったら…」
有紀 「オレ別に…」
ルイ 「何? 私が97連敗中だから、難癖つけてるとでも?」
有紀 「あ、いや……」
三人 「(笑)」
有紀 「あのさ、ただの暇つぶしだから… あ、そうだ。まだ荷物の整理が…」
ルイ 「勝ち逃げってやつ?」
有紀 「滅相もありません…」
(610号車内−アームレスリング中)
ホセ 「よーし、いけぇ、一気に畳みかけろ!! シルバー、やっちまえ〜」
シュナイダー「引き寄せろ!!」
シルバー 「すぐにそのオツに澄ました鼻っ柱へし折ってやるから、腕の添え木にするといいぜ」
ブルース 「自分の負け犬っぷりにめげて、軌道チューブ歩いて帰るなんて言い出すなよ!? 旅の恥はかき捨てってな!」
シルバー 「寝言は宿の布団かぶってぬかせ!」
(610号車内−ナンパ中)
販売員 「ふもとの釜飯いかがですか?」
ディビッド「そう、まさに旅行日和だねぇ」
販売員 「ご一緒に、竹カマボコいかがですか?」
ディビッド「仕事、何時まで?」
販売員 「ご一緒に、ウツボパイいかがですか?」
ディビッド「よかったらこのあと一緒にどう?」
販売員 「ご一緒にワサビ漬けいかがですか?」
(610号車内−再びトランプ)
ルイ 「何なのよ〜、呪われているわ、このカード。112連敗なんてありえない!! ナポレオンを没落へ導いた呪いのカードかっての! まったくも〜!!」
シェリー 「いやいや…」
愛 「これほど悔しがってもらえると」
マギー 「むしろすがすがしいというか」
ルイ 「有紀君!! あなたが私の運を吸い取って、悪い気を呼び寄せたのね!!」
(610号車内−再びアームレスリング)
ブルース 「ぬぬぬ」
シルバー 「ぬぬぬ」
二人 「ぬぉっ」
(610号車内)
バルジ 「ハメを外しすぎだな、お前達」
老人 「静かにせんか!! 少しは周りの迷惑を考えろ!! SDFを呼ばれたいのか!!」
バルジ 「あ、いや…」
一同 「すいません…」
ルイ 「何よ、この手札やっぱおかしすぎ…」
老人 「お、お…。ま、まったく近頃の若いもんは…」
トラ 「ニャーオン」
(610号通路)
車掌 「間もなく終点、26番惑星、ロブンテ・ロルドー、ロブンテ・ロルドーです」
(610号車内)
シェリー 「見て」
愛 「あれよ」
マギー 「綺麗」
有紀 「ん…」
ルイ 「燃やしてやろうかしら、このカード…」
(ロブンテ・ロルドー到着)
ルイ 「有紀くん、なかなかよさそうな所ね」
有紀 「あ、あぁ」
(旅館村瀬)
シュナイダー「さすが隊長のご実家ですね」
村瀬 「古いだけが取り柄よ」
ホセ 「隊長、露天風呂あるんスか?」
村瀬 「ん? そりゃぁおめぇ…」
村瀬母 「ようこそいらっしゃいました」
村瀬父 「いつもせがれがお世話になっております」
村瀬母 「長旅でお疲れになったでしょう」
一同 「お世話になります」
村瀬母 「さぁ、どうぞ」
村瀬 「よおし、みんな入ってくれ」
ルイ 「何してるの、有紀君、行きましょ」
有紀 「あ、あぁ…」
シロボタ 「ニャ〜」
有紀 「うわっ」
ホセ 「隊長、露天風呂…」
有紀 「何だ、お前?」
シロボタ 「ニャ〜」
ホセ 「隊長、露天…」
村瀬 「おーシロボタ。帰ったぞ〜。変わらねぇな、お前。老け込んじまった親父どもとは大違いだ」
村瀬母 「親を猫と比べる子があるかね」
村瀬父 「減らず口と図体だけ一人前のひよっこに言われとうないわ」
村瀬 「ぬかせぇ、老体を気遣って手加減してやってる身にもなれっての」
ホセ 「隊長、露天風呂はあるんスか…」
シロボタ 「ニャ〜」
村瀬 「あぁ、そうかそうか。出迎えに来てくれたか」
ホセ 「隊長〜〜〜〜!!!!!! 露天風呂あるんスかぁ〜」
村瀬 「あってよかったよ。さもなきゃ、温泉わくまで裏山じゅう、掘り返すハメになるとこだった」
(旅館村瀬−部屋)
シェリー 「うわぁ」
愛 「すごーい」
マギー 「本当に」
シェリー 「よーし、今日は思う存分」
愛 「遊んで食べて飲んで歌って」
マギー 「温泉でお肌を磨きましょ」
ルイ 「どうでもいいけどなんで三人でセリフ割るのかしら…」
シェリー 「それじゃまず」
愛 「テニスコートで」
マギー 「一汗かくわよ」
(テニスコート)
有紀 「オレ、こんなことしてていいのか…」
愛 「有紀さん、がんばりましょ」
有紀 「あ、あぁ」
ルイ 「何よ、有紀君ったら。鼻の下伸ばしちゃって(-_-)」
ルイ 「プレイ(-_-)」
愛 「いくわよー、それ」
マギー 「えい」
愛 「有紀さん」
愛 「大丈夫ですか」
有紀 「だ、大丈夫」
ルイ 「フィフティーンラブ(-_-)」
シェリー 「せーの、はい」
愛 「やーん」
有紀 「うわ」
マギー 「えーい」
有紀 「うわぁ」
シェリー 「そーれ」
有紀 「っと」
ルイ 「ゲームセット(-_-)」
シェリー 「お疲れ」
愛 「お疲れ様」
マギー 「あー、汗かいた」
ルイ 「何なのよ、もう……あ?」
シュナイダー「ドッ、ッセェェェイ!!」
シルバー 「うぅりゃぁああ」
シュナイダー「ぬぁあああ」
シルバー 「ちぇい」
シュナイダー「ぬぅぅぅぅ」
シルバー 「いょっしゃぁあ!!」
シュナイダー「くそぅ!!!!」
二人 「よ、よかったら俺達の仲間にいれてやってもいいぞ…」
ルイ 「いや (-_-)」
二人 「なぜだぁ〜〜〜〜!!(ToT)」
(旅館村瀬−縁側)
村瀬 「はははは…、あ〜、いつ会ってもかわいいなぁ、シロボタぁ〜。あははは〜、う〜、なんてかわいいんだぁ。うぃー、いい子でちゅねぇ〜、うー、ルルルルル。あははははは、こいつ〜、うふふふふ、うふ〜、ささささ、ほら、よーしよしよし」
村瀬母 「あぁ、その…、ガサツな子なもんで、ご迷惑とかおかけしてませんか?」
ジュリア 「いいえ、そんなことは…」
村瀬 「あはははは、ほら、今日はもうご飯たべましたか〜、あはははは、う〜、かわいいなぁ、もう〜」
ジュリア 「(笑)」
(露天風呂)
ユキ 「は〜」
ホセ 「うあー、えへ〜えへへへへ、う〜」
ユキ 「静かですねぇ」
(旅館村瀬−部屋)
ディビッド「隊長、ご心配に及びません。お姉ちゃんのいる店、下でバッチリ聞いときました♪ ひとっ風呂あびたら、パァーっと羽を伸ばしましょう!」
バルジ 「のばしすぎだ。ブルース、風呂行くか?」
ブルース 「えぇ」
(遠吠え)
ブルース 「学、風呂へ行くぞ」
有紀 「あ、え…、はい」
有紀 「…? またお前か。…あれ? お前…」
トラ 「ニャーン」
老人 「トラぁ〜、こんなところにいたのか」
(場面変わって露天風呂)
ホセ 「くぁぁ〜」
(場面戻る)
老人 「探したぞ〜、まったく心配かけおって」
トラ 「ニャ〜ン」
老人 「好奇心旺盛なヤツでな、見知らぬ土地へ来ると、すぐそこいらを探検しに行っちまうんじゃ。」
有紀 「へぇ、やんちゃ坊主なんですね」
老人 「!? 失敬な男じゃにゃ〜、トラ。こいつは女の子じゃ。」
有紀 「あ、すいません。」
老人 「どうやら女心のたぐいが苦手と見える」
有紀 「別にそういうわけじゃ…」
(女風呂)
マギー 「ねぇ、ルイさん」
ルイ 「え?」
マギー 「あなた実際どうなの?」
ルイ 「どうって?」
シェリー 「とぼけちゃって、有紀君よ」
ルイ 「べ…、別に、ただ同期入隊の仲間っていうだけですけど…」
三人 「ふーん」
ルイ 「な、何ですか?」
愛 「それじゃ、あたし、もっと積極的になっていいんですね」
ルイ 「ど、どうぞ、ご自由に」
ジュリア 「こら、そんなにいじめない」
愛 「隊長、あたし、マジメなんですけど〜」
(男風呂)
ディビッド「なぁ、学、賭けないか? どっちが素潜りで先に向こう側に着くか。負けたほうが今夜宴会で一発芸だ!」
有紀 「えぇ!?」
(露天風呂)
ホセ 「あぁ〜」
(男風呂)
ディビッド「ぷぅ」
(女風呂)
有紀 「パァ」
一同 「…………」
有紀 「え…?」
ルイ 「な!?」
有紀 「いぃ!?」
愛 「あぁ〜!?」
ユキ 「有紀さん!?」
ジュリア 「意外と大胆ね」
有紀 「う…っその、違うんです…」
ルイ 「えい!」
有紀 「たっ!」
ユキ 「有紀さん」
愛 「大丈夫ですか?」
(男風呂)
ディビッド「うまいことやりやがったな。」
有紀 「そうでもないです」
ディビッド「それはそうとさ」
有紀 「今度は何スか…」
ディビッド「新雪ってよ、そこに何か残したくならねぇか?」
有紀 「はぁ・・・」
ディビッド「よーし、人型をつけるぞ。ジャンプして空中で大の字になるんだ」
有紀 「やるとおっしゃるなら止めませんけど…」
ディビッド「二つあったほうがサマになるんだよ」
有紀 「え、またオレ!?」
ディビッド「先輩の命令は神の声だ。いくぞ! てぇ〜い! ガィ〜ン」
(ガイ〜ン☆)
有紀 「ガィーンって、ディビッド!?」
ディビッド「あ、アイスバーンになっていやがった…」
ブルース 「違うな、岩だ」
ディビッド「マジすか…」
有紀 「大丈夫ですか!?」
ブルース 「心配は無用だ」
有紀 「え?」
ブルース 「ヤツとてSDFの一員。悲惨な最期は覚悟の上だ(ニヤリ)」
有紀 「はぁ…」
(女風呂−脱衣場)
ルイ 「はぁ…」
ジュリア 「ルイさん」
ルイ 「はい」
ジュリア 「おせっかいかもしれないけど」
ルイ 「え?」
ジュリア 「気持ちは早く伝えたほうがいいわ」
ルイ 「そ、そんな…私…」
ジュリア 「勘違いならごめんなさい。でも、タイミングは大切よ。特に鈍い男にはね。心で想っているだけじゃ、何も始まらない。だから、今だと思った時には勇気を持って、正直な気持ちを示して欲しいの」
トラ 「ニャー」
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